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All Arounder

第46章 Examine For Examiner





「おめぇのマグカップが置いてあったのは中段だろ?
中段は全部、取っ手は向こう側を向いてたじゃねぇか」




「だから何ですかぁ?」




「食器をいつも仕舞ってる背の低い千花に、上段は届きにくい。
だから上段のカップは、みんな取っ手がこっちを向いてんだ」



「あ…取っ手を持った方が、高いところは届きやすいですからね」




「ああ、中段は千花でも楽に入れられる。だからわざわざ取っ手を持って、マグカップを中段に置く必要はない」




「つまり…」




「余裕で届く中段の棚に、マグカップの取っ手を持って仕舞おうなんて面倒な作業、普通はしねぇ…
なのにさっきのマグカップだけはそうじゃなかった」




斉藤は喋りながら、物置の扉にもたれた




何でよりによってそこにもたれる!!?





「そ、そんなことが気になるなんて…正貴さんって神経質なんですね…」



なんとかその話題から遠ざけようと、千花は試みる




「まぁ、今日は仕事で来てるようなもんだからな」







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