All Arounder
第46章 Examine For Examiner
「ちょ…先輩、それは言わない約束じゃ…」
「んなこと言ってる場合じゃねぇよ。もしかしたら、でっけぇネズミを捕まえたかもよ?」
斉藤はニヤリと笑った
そして大志と井上はわかった
斉藤は、自分たちの存在に気づいていると…
「ネ、ネズミ…?」
シゲは首を傾げた
「ああ、食器棚の中段にも手が届かないような、よっぽど背の低い人間か…」
斉藤はそっと物置の扉に触れる
「はたまた、シゲの動向を探ろうとする、小賢しい人間か…だな
そうだろ、大志?」
外の光が急に飛び込んできて、その眩しさに大志と井上は目を細めた
「は…ははは…元気だったか、親父…?」
「見ての通り、ぴんぴんしてらぁ…さて、そんじゃあ刑務所でも行くかコラァ!!!!」
斉藤は中の二人を捕らえようと、物置の中へ飛び込んだ
しかし大志は容赦なく斉藤を突き飛ばす
「誰がんなとこ行くかよ!!」
そして大志と井上はすぐさま物置から逃げ出す
「すんませんっしたー」
井上は両手を合わせて、走りながら斉藤に謝った
「ま、待ちやがれ!!」
斉藤は急いで起き上がり、二人の後を追い掛けた