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All Arounder

第46章 Examine For Examiner





「なっ…あいつは確か…!!」




シゲは驚いて、井上を目で追った


ずいぶん昔に出会ったことがある


それを思い出したのだ





「待て…!!」




と、シゲも斉藤に続いて後を追おうとした



しかし、千花はシゲの腕を引っ張った




「せ、千花…何するんだ!?」




「お話があります」




千花のキッパリと言い切るその態度に、シゲの足も止まった





「…話って…?」




「シゲは…私をどう思っていますか?」




「どうって…」




シゲは口をキュッと結んだ





「私が、浮気でもしていると思ってらしたんですか?」




「…」




「だから正貴さんを連れて、私が浮気したなんていう証拠を探そうとなさったんですか?」




「…そ…そうだよ…」





認めたシゲに、千花は怒りを通り越して呆れてしまった





「私が…そんな女だと…?」





「…じ…実際そうじゃないか!!今だって、二人も男をかくまっていた!!」




「あの方たちは、私に浮気の疑いを抱くあなたを調べてもらおうとして
私が雇ったんです」




「え…?」




千花は小さくため息を漏らす





「私があなたに構ってあげられなかったのは、仕事の疲れです。
なのにあなたは、私を疑うそぶりを見せた…」





「それなら、ちゃんと面と向かって、"私は浮気なんてしてません"って言えばよかったんだ…!!」




「私は…!!」




千花の目に、うっすら涙が溜まった








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