All Arounder
第46章 Examine For Examiner
「私はシゲに…信じてほしかったし…シゲを信じたかった…」
「…千花…」
「私…私…」
結局
そのやり場のない気持ちを、どうしていいのかもわからずに
千花は泣き崩れてしまった
「千花…」
シゲは、千花の肩にそっと手を置く
「じゃあ千花は…浮気なんてしてないんだね?」
「さっき…そぅ言ったではないですかぁ…」
「…」
シゲは
小さくキュッと抱きしめた
「そうだね…ごめんね…僕、ちゃんと千花に聞いとけばよかったんだね…」
「シゲ…」
少し顔を上げると、シゲは優しく微笑んでいた
「ごめんね…ごめん」
「いえ…私も…こそこそと…ごめんなさい…///」
千花は、自分の体を包み込む手を、そっと握った
「久しぶりに葵も帰って来てることだし…みんなでどこか、食事しに行こうかっ」
シゲは満面の笑みで、千花の顔を覗き込んだ
「あ…その、葵のことなんですけど…―――」
「…え?」