All Arounder
第50章 Difference In Age
「よいしょ」
小泉は手をついて上体を起こした
肩にかかった毛布がパサリと落ちる
「寝てなくて大丈夫ですか…?」
「うん、平気…」
小泉はふぅっとゆっくり息を吐いた
「人って…弱いよね」
諦めめいた喋り方に、美空は返事のしようがなかった
「ひとりじゃ生きていけないんだ。孤独は、いつか人を狂わせる…最後には、命まで奪う」
「…」
「俺は…孤独だった」
愛した人を失った時から、ずっとずっとひとりで…
「でもそのうち、俺のことを気にかけてくれる人と出会えて…、ゆうひちゃんも、そのうちのひとりだったよ」
「お母さん…が」
「うん、でもね…」
小泉は眉間にシワを寄せながら、眉の端を下げた
「俺は関わっちゃいけないんだ…もう…誰とも…」
関わっちゃいけない…
それは十分わかっていたし
もう孤独とも上手く付き合っていけると思ってた
それが
大きくなった大志が俺の前に現れてからは
寂しくて寂しくて
仕方ないんだ…