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All Arounder

第9章 A Couple of Night




「姫ちゃん」



あたしは、顔を上げた



もちろん笑顔で




「今夜、姫ちゃんの部屋遊びに行ってもいい?」



あたしはこの時



この男に溺れていっていた





『うん』




けれどこの思いも、彼自身も




すぐに幻想だったと気づく

















コン コン



『あ、はい』



ノックされたドアまで駆け、鍵を開けた




ガチャッとドアが開くと、見たことのない男がたくさんいた





『っ…』




とっさに、閉めようとしたけれど



間に合わなかった





ドアの間に足を入れられ、閉まらなくなったドアから、あたしは離れた


そして部屋の隅まで逃げたけれど



腕を掴まれ、強引にベッドに倒された





抵抗しようにも、何本もの腕が、手が、あたしをそうさせなかった




その後あたしは




文字通り




遊ばれた









死にたい



こんな屈辱的なことがあるだろうか




男たちは笑っている




あたしはこの時




どんな顔をしていただろう





ぼやけた視界の先に


立入の姿があった




遠くでこっちの様子を楽しげに見るその姿によって



あたしは気づかされた















笑わなければよかった、と…















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