All Arounder
第10章 Parent And Child
「洗濯物終わったー」
そう言いながら、大志が2階から下りてきた
「お、ご苦労さーん」
斉藤は手をひらひらとさせたが、大志の表情は一気に不機嫌そうになった
それに気づいた斉藤は、とっさに嘘をつく
「昼寝について語ってただけだ。なぁ、姫ちゃん」
『え…えっと、うん』
姫は流れに任せて頷いた
「…ふーん」
大志はどこか納得いかない様子だったが、とりあえず返事しておいた
そして姫の腕を掴み、立たせた
「部屋行こう」
『え…?』
姫はグイッと引っ張られ、大志の後をついて行った
部屋を出る間際に、ちらっと斉藤を見ると
斉藤は人差し指を立てて口元に近づけ、「しー」と
姫に伝えた
何とも歯痒い思いがしたが、そのまま2階へ上がった