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狼と白頭巾ちゃん

第16章 あなたの隣で…

どれくらいそうしていただろうか…、

気が付くと太陽が頭の真上まで来ていて、

暑さを覚えたライラがシンにそのことを告げ、

二人は木陰へと移動した。



「涼しくて気持ちいい…」


呟くライラの横顔は、太陽の熱のせいばかりでは無く、桃色に染まり上気していた。

火照った頬に、木陰を通り過ぎる風はとても心地よかった。



シンもライラの隣で、彼女の柔らかい唇の感触を思い出し、身体の奥から熱が広がるのを感じていた。

さらに…、

(…少し、ライラの匂いが変わった)


あの時と同じ、甘い匂いだ…と、シンは思った。

が、その時、ライラにどんな顔をされたか思い出し、意識しないように努めた。

それでも、誘惑の甘い匂いが消えるわけでは無いので、シンの自身へと流れる熱を、抑えることは出来なかった。

だから、シンはそれを悟られないように、少し身体をずらして下半身を隠してから、

意識を他に移そうと、ライラに話しかけた。

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