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狼と白頭巾ちゃん

第20章 空の花

「あ…、私…⁈」

起き上がろうとして、何も着ていないことに気付く。


「ひゃあぁぁぁ⁈‼な、なに?何で私、何も着てないのぉ⁈」


慌ててシンの腕から逃れ身体を隠そうとするが、何故かシンに後ろから抱きすくめられてしまった。


「やぁ!離してシン!恥ずかしい‼」


パニックを起こして暴れるライラを、それでもしっかり抱き締めながらシンは言った。


「危ないよ、ライラ!溺れちゃうから、暴れないで!」


「…え⁈」


そこでライラは初めて顔を上げ、周りの景色を見て目を丸くした。


「……どこ?…ここ……」



ライラの目の前には、どうどうと大きな音を立てて流れ落ちる大量の水。

水は地を穿ち、自分の今いる場所まで大きな水溜りを作っている。

目線を上げれば、その水が随分高い場所から落ちて来ているのが分かった。



「……滝…?」



そう。

今、ライラとシンは滝壺の脇にいた。

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