狼と白頭巾ちゃん
第20章 空の花
ほっとしたライラは、しかし、シンのほうを向けずに俯いたままだった。
様々な想いが一瞬で脳内を駆け巡る。
冷たい川水に浸かったことで、惚けていた頭は既に冴え渡っていて。
それで余計に、それ迄どれだけ身体が火照っていたのかということを、ライラは思い知らされた。
(どど、どうしよう~。シンに私の身体全部見られちゃった!色んなとこ触られたし、舐めら…)
ボッ!
途端に熱くなる顔。
ライラは、自分でも見たことの無い部分までシンにじっくりと見られ、更にはその舌で舐めまわされ、そして、その行為で自分がどうなってしまったかまで、鮮明に思い出した。
恥ずかしくて恥ずかしくて、鼻の下まで水に漬けても、熱が引かない気がした。
ずるずると水中に沈んでいくライラに、シンからの声は掛からなかった。