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狼と白頭巾ちゃん

第20章 空の花

瞬間、バッと顔を上げたシンと目が合って恥ずかしさを隠せなくなり、今度はライラが目を反らした。


「だ、だからあの、えっと…、は、恥ずかしかったけど、嫌じゃ無かったというか…。それより!シンが今ここに居てくれて良かったって気持ちのほうが強くて…」



「……ホントに…?」



おずおずとシンが問う。

ライラは、これ以上は流石に恥ずかしすぎて言えなかった。

だから、赤い頬を隠すため、顔を背けたまま怒鳴った。


「そそそ、そんな事より!は、早く服を頂戴!水が冷たくて、凍えそうなのよ⁈」






そのライラの態度が強がりであるということを、赤くなった耳が、シンに教えてくれていた。

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