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狼と白頭巾ちゃん

第3章 思惑と戸惑い

(なんて言えば良いんだ!え〜っと、君があんまり可愛らしくて驚い…って、ダメだ!更に警戒される‼蛇が足元に…って、そんなこと言ったら走って逃げられるじゃないか‼なんとかして引き留めないと。なんとかして…、え〜っと、え〜っと。あぁっ!また不審そうにこっちを見てる⁈どうすればっっ…)

話しながら、途中から無言になってしまったシンを訝しんで、少女は首をかしげたまま不安そうにしていた。

その姿に、声を掛けた時のことを思い出し、シンはこれだ!と思い付いた。

「お、お嬢さん。心配事は無くなったのかいっ⁈」

焦ったせいか、声が上擦り、早口になってしまった…。

「…え?」

「あ、あの、俺が声を掛けたのは、君があんまり悲しそうな顔して歩いてたからで…、心配になったというか、ど、どうしてなのかな〜って…」

呆気に取られている少女に、シンは一気にまくし立てた。

自分の事を、“僕”から、“俺”と呼び方が変わっている事など気付いてもいなかった。

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