狼と白頭巾ちゃん
第22章 そしてふたりは…
あっという間に、シンは花園に辿り着いた。
そして、いつも二人で会話をしていた泉の側まで歩くと、足を屈め、ゆっくりライラを地面に寝かせた。
夜露に濡れた草原の青い匂いはライラの身体を包み込み、それが余計に、一糸纏わぬ彼女の形を際立たせた。
まるで、今初めて生れ落ちたかのような白い輝きは、侵さざる神聖な存在であるようにも見え、
また逆に、シンの瞳に晒されほのかに桃色に染まってゆく身体は、男を誘う淫魔のような色気を帯びているようにも見えた。
ライラは既に、彼女を翻弄するシンの指や舌の味を覚えていて。
その表情には、恥じらいの中にも待ち焦がれるような色を隠せない。
「ホントに…、良いんだね…? ライラ」
ライラの扇情的な美しさに、シンの下半身は否応無く反応し、立ち上がってゆく。
これ以上進んだら、きっと止められないとシンは確信し、ライラに聞いた。
しかし、ライラのほうも傍らのシンが放つ、強いオスの匂いや色気や、熱に浮かされていて。
舐めるように全身を見詰められ、火照る身体の中心では、既にシンが欲しくて甘い疼きを覚えている。
潤む瞳で真っ直ぐにシンを見詰め、ライラは応えた。
「…うん。私を、あなたのものにして…。シン…」
暗闇に浮かぶ白い光を闇が覆い隠すように、二人は重なり合った。