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狼と白頭巾ちゃん

第1章 出会い

サク…サク…

小道を歩きながら、ライラはひとつ、溜め息をついた。

「ハァ〜……、っ⁈」

自分が思ってたより大きな息が漏れ、ライラは慌てて口に手を当てた。

が、キョロキョロと周りを見渡しても、自分以外誰もいない事に気が付き、ホッと胸を撫で下ろした。

…けれど、一旦止めてしまった足が、中々踏み出せず、俯いてしまう。

「…おばあちゃん……」

ボソッとつぶやくと、我慢していた涙が目に浮かび、鼻の奥にツーンと小さな痛みが走る。

誰もいないのだから、これぐらい良いだろうかと自分に問いかけ…、しかし、目が赤くなったら…と、首を振り、涙を拭った。

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