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狼と白頭巾ちゃん

第8章 それぞれの想い

木の向こう側にいる、優しいヒトに向け、ライラは告げた。

目の前の木に寄り添うように頬を寄せ、微笑みながら…。

「シン、ありがとう。私のこと、あなたは私以上に考えてくれたんだね?会ったばかりの私のために、あなたは優しい言葉を掛けてくれた。」

(っそれは、君をっ…‼君を襲うため…に…)

シンは言えなかった。

シンの心の声は、ライラには聞こえない。

何も知らずに、ライラは言葉を紡いだ。

「それから、悩んでいた私のために、お花を摘んできてくれた…」

「ラ、イラ…」

シンの口から初めて発せられた自分の名は、ライラにはくすぐったく響いた。

「ねぇ、シン?私、例えあなたの姿がどんなに醜かったとしても、あなたの心は、きっと誰よりもキレイだと思うわ。だから…」

「だ、だから…?」

「私、あなたからは逃げないし、あなたを信じる!」

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