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狼と白頭巾ちゃん

第9章 ふたりの距離

呆気にとられるシンとは対照的に、ライラは段々興奮してきていた。

「だって、素晴らしい案だわ!誰も知らない花園なら、きっとイッパイ色んな花が咲いているんでしょ⁈」

「え?あ、あぁ、そりゃまあ…」

「そしたら!きっと毎日だって、おばあちゃんにお花を届けられるでしょ⁈」

「そ、そうだね…」

シンは興奮したライラに気圧され気味だ。

「そんな素晴らしい案の!一体、何が問題だっていうのか、さっぱり分からないわ⁈」

(えぇ〜〜)

今、シンとライラの距離は近すぎて、シンはライラの表情を伺うことが出来ない。

ライラを見ようとすれば、きっと彼女からもシンが見えてしまう。

しかし見なくても、ライラが今どんな表情をしているのか、シンには手にとる様に分かった。

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