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狼と白頭巾ちゃん

第10章 光の中へ…

すると、木の向こう側からウフフッと笑い声がして…、

「分かってくれたなら、良いの♪」

と、今度は少し嬉しそうに話すライラの声がした。

機嫌が治ってくれた事に安堵したシンだったが、

(なんだかこの子は、くるくると表情が変わるんだなあ…)

と、またライラの顔を思い浮かべながら思った。

それは、今迄誰ともまともに接してこなかったシンにとってはとても新鮮で、戸惑いながらも、嬉しい驚きだった。

「あのね、シン?」

機嫌の治ったライラがシンに語りかける。

「私、本当にちゃんとシンの云いたいこと、分かってるのよ…?でも、シンが案内してくれるなら、やっぱり私には問題なんて何も無いわ」

「え?」

「あなたの言った『問題が問題じゃ無くなる』って、そういう事でしょう?」

その瞬間、やっとシンは理解した。

ライラが、彼女の言葉通りシンを信用し、欠片も疑ってなどなかったことに。

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