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狼と白頭巾ちゃん

第12章 約束

ライラはひどく動揺した。

シンに顔の火照りを言い当てられ、肩を跳ねさせてしまうほど。

でも、何故動揺しているのか、自分でも分からず、ただ、何故だか無性に恥ずかしくなった。

だから、恥かしさを消したくて、殊更大きな声をあげ、八つ当りした。

「な、ななっ、なによ!シ、シンなんか、私が呼んでも…、すすす直ぐに応えてくれなかったくせにっ!」

「え?いや、それは…「イジワルよ!どっ、どうせ、影から泣きそうになってた私のこと見て、笑ってたからとかなんじゃないの⁈」

ライラはシンが言い訳しようとするのを遮って、嘲笑気味に言った。

「‼」

それが、シンにはショックな言葉だった。

「っ違う!」

「⁈」

「イジワルなんかじゃ、無い…」

シンが刹那げに声を荒げたので、ライラはそれまでの勢いを失い、

「………じ、じゃあ、何で直ぐ声を掛けてくれなかった…の…?」

恐る恐る聞くと…、シンは、なにやらボソッと呟いた。

「え?なに?」

シンの言葉が聞き取れなかったライラが聞き直すと、シンはちょっと躊躇いながら、今度は大声で言った。

「お、俺は!ライラがあんまり可愛いから‼見惚れちゃってたんだよ‼‼」

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