無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

あの人は確信してないかもしれないけど、
会いたいって気持ちは私だって持ってる。

そう言うとそんな気持ちはおれのに比べたらひゃくぶんのいちいかだ、
ってメールがくるけど、あの人はわかてない。

人の気持ちは、測れるほどシンプルじゃない。変化もするし、増減もする。

彼が、じゃなくって、
彼っていうのは付き合ってるって意味っぽいから、
彼って言っていいかどうかわかんないけど、
とりあえず、言い直しとく。

あの男、あいつ、あの人、がずっと私に会いたがってるってのは、
一日10回以上、君に会いたいっていうメールを送ってこなくたって十分わかってる。

10分おきにメール読まされるわたしの身にもなってみろバカ。
うん、ちょっとうれしいんだけど。

でもね、私はおんななの。
あの人は多分わかってるけど、わかってない。

女は理屈で考えない。気持ちは瞬間瞬間あっちこっちに揺れてぶれて、変化する。

１分前まで大好きだった林檎が、急に反吐がでるくらい嫌いになることだって、ある。

そんなに頻繁にはないけどね。だからおんなに本質なんてものはないの。

あなたはわたしの本質を見たって言ったけど、それは多分揺れ動くわたしの感情の影。

わたしですらわからない自分の本当の気持ちを、他人がわかるわけ無いじゃないの。

でもね、どうしてもあの人が確信を持てないことも、ある。

それはわたしが隠してるから。だってそれ言っちゃったら、全部崩れちゃうんだよ。

一度本気で心を預けた男から、そうそう心が離れることはないんだよ。

でもあの人はそこに確信が無い。

仕方ないよね。だって、わたしがあの人にどこまで心を許してるかなんてことは、
いくら言葉で伝えたところで信じるか信じないかはいわれた本人次第だもの。

男と女に限らず、信じるか信じないかは大きな分岐点になるから。