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これが私の仕事

第5章 第四夜

??「ねぇ。」
足が止まる。
??「ねぇってば!!」
ちょっと待て…さっき気配無かったよね。
??「聞こえてるんでしょ??」
私は恐る恐る後ろを振り返る。
??「やっぱり聞こえてんじゃん。」
後ろには、少年が居た。
私『あんた…だれ??』半ば混乱気味の私は、全く意味のわからない質問をする。
少「やっぱり見えてるんだ。あんたもゆーれー??」
私『私は死に神だよ。』
少「死んでるの??」
私『そうだよ。』
少「じゃー僕も死んでるの??」
私『そうなんじゃん??』
少「どっち??」
私『死んでるんじゃないの??』
正直、わからない。気配は感じなかった。しかも、結構濃い。死んで時間が経ってないのか、生きているか。見たところ小学校に上がったばかり。いわゆるショタ少年。思わず、ジーッと見てしまう。別に、ショタ好みではなく、こいつがなんなのかわからないから。
少「僕になんかついてるの??」
私『いや…ただあんたが何者なのかわからないから。』
少「……………」
しばしの沈黙。自分でもわかってないのだろう。
少「僕もわからない。だけど、お姉ちゃんならわかるかなと思ったの。」
私『なるほど』なるほどね。なら、答えを出す方法で手っ取り早いのが、私はおもむろに少年の胸に手を当てる。
記憶が取れたら死人。取れなかったら生き人。
………キィン…
記憶ゲット。よって、少年は死んでいる。
私『あんたは死んでる。』
私は少年に告げる。
少「だから、ママ、僕にギューてしなくなったんだ…」
気づいてなかったのか。さて、こいつと関わってしまった。てことは………今回はこいつか。
うわ…めんど…
まぁさっきの記憶を調べるか。
名前 城崎 真理也
年齢 8歳(小学校2年)
それを真理也に伝える。
真「まりや、まりや、真理也…城崎…真理也…」釈然としない顔。
私『どうした??』
真「ピーンとこない名前…」
私『そうか…』
真「僕、本当に真理也なのかな??」
私『名前は個人を特定する暗号であり、付いた瞬間から個人を縛る呪いだよ。名前を誰かが消さない限り変わることは有り得ない。そして、私は君の最奥にある記憶を引き出した。君の名前が城崎 真理也であることは間違いない。』

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