禁断の兄妹
第3章 嫉妬
「あれは…ノリで…」
「“私は本当の事しか言わないよ!”
とか、言ってたのに?」
「………うん…」
「紅留を裏切る事になるよ。そんな事、
衣鶴には出来ないんじゃない?」
「……嫌だよ…、嫌だけど…。お兄ちゃんに嫌われるのはもっと嫌……」
「………………」
「………………」
その後、無言のまま、家に帰った。
「ただいま~」
「ただいま」
「衣鶴、お帰りー♪」
「ちょっ、理矩にぃ…!」
理矩にぃはずっと帰りを待っていたのか家に入ると、数秒足らずで、抱きついてきた。
「衣鶴!士夜流とくっつぎすぎ!」
「…別に…兄妹なんだし…」
「ダメダメ!可愛い衣鶴は俺の物!」
「私は誰の物でもないよ…」
いつも通り、甘えてくる理矩にぃを振り払い、自分を部屋に向かった。
「紅留ちゃんと
遊びに行く準備しないと…」
私は私服に着替え、
リビングに向かった。