禁断の兄妹
第3章 嫉妬
「紅留ちゃん遅いな…」
紅留ちゃんが待ち合わせの時間になっても来ない……。
何かあったのかな…?
“ピロロロロンピロロロロン”
私の携帯が鳴り始めた。
「あ、紅留ちゃんからだ…!」
私は内容を見た。
『ごめんね(泣)!今日、入学祝いで家族と出掛けることになっちゃったっ(>_<)』
うそ…今日、遊べないの…!?
めったに履かないスカートまで着て、おしゃれしてきたのに……。
私はしばらく立ち尽くしていた。
「どうしよう…」
せっかく、優馬おにぃが行って来いって言ってくれたのに…。
このまま帰るわけにはいかないか…
私は近くをうろちょろした。
「風間の妹!」
「あ!矢崎くん!」
本日、三度目の対面。
「なにしてんだよ」
「ちょっと散歩…」
「ふ~ん…お気楽でいいな、お前は」
「そんな事ないよ。で、矢崎くんは?」
「俺は今から野球なんだ」
「そっか。頑張ってね!」
「おう!サンキューな!」
矢崎くんは大きな荷物を背負いながら、走っていってしまった。
矢崎くん…
“意外に”いい人かも…