禁断の兄妹
第3章 嫉妬
「ねぇ恵斗お兄ちゃん…」
「何だ?」
「昔、一緒に
遊んでた女の子って…だれ?」
「女の…子…?」
「うん…外人っぽい顔立ちの…」
「…っ!!!」
恵斗お兄ちゃんは
何かを思い出したのか、慌てた様子だった。
「分かった…?」
「…ぃ、いや…知らない…ッ」
「…そう……」
恵斗お兄ちゃんの様子がおかしい。
「お前は…ッそれ以上思い出すな…」
「なんで…?」
「分かったか!!!!」
「……は、はい………ッ」
聞いたことのない恵斗お兄ちゃんの怒鳴り声。私は怖くなってしまった。
「帰るぞ…」
「…はい…」
いつもなら、“うん!”って、言えるのに…。今は恵斗お兄ちゃんが怖くて敬語しか使えない……。
「ただいま…」
「……………」
恵斗お兄ちゃんは家に着いても無言のまま…。確か、士夜流にぃもこんな感じだったような……。
「あれ、衣鶴。早かったな?」
「うん。遊べなくなっちゃって…」
「そっか!だったら、俺と遊ぼうぜ!」
優馬おにぃはポケットからローターを出した。
「な、いいだろ!セッ・ク・ス!!」
「わぁ!で、でかい声で言いすぎだよ!」
「んじゃ、俺の部屋に行くか!」
「もお……」
だが、話を聞こえていたはずの、恵斗お兄ちゃんと士夜流にぃは無反応…。
いつもなら止めるはずなのに…。
やっぱり、私なんか
悪いことしちゃったかな……?
私はそんな事で頭がいっぱいだった。