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対峙

第5章 episode 4

「誠二は虐待されてたんでしょ?」

「…うん」

゙そういうこど
゙虐待゙
光彦も…?あの院長に?…信じられない。
ボクは視界が曇っていくのを感じた。

「ねえ、本格的にしてみようか」

「え?」




「犯人さがし」

ニヤリと笑う光彦の目は、ボクの見たことのないものだった。
それでもひどく安堵してしまうのは、ボクと光彦は同じ種類の人間だからだろうか…

「ねえ誠二、あの人が犯人じゃないって確証ある?」

「…わからない」

そんなこと誰にでも言えることだから。
なんならボクが犯人じゃないって確証はある?
わからない。

「誠二、難しく考えないで」

゛俺が導き出してあげる゛
光彦の冷笑は痛々しかった。

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