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童話 クロニクル

第2章 猟銃を片手に…シンデレラ編

絵本を読もうとした時だった。
ブワァ!!
「きゃあ!?何!!」
凄まじい風と耳鳴りのような感覚。
息が苦しい、目が開かない…。

すると、風が止んだ。 目が開けられ…たのだが‥。
「な、何よ…コレ。」
目の前に広がる景色は、童話の世界。
輝く空、豪華な家? 小鳥たち?
「私にぐれろと言うのかい笑」
その時だ、シンデレラが猟銃を片手に歩いてきた。私に向かって…。
え…ええぇ!?こないでよ…来るなぁ!!
『私は、お前を殺す気はない、とりなえず名を名乗れ。』
少し微笑んで言う。「あの、ま‥舞です」
足に力が入らない。冷や汗が垂れた、その時だった。
『そうか、舞。お前は、絵本に迷い込んだんだろう。出たいなら、手伝え。』

は…はいぃぃ!? 何をすりゃいいわけ?ていうか、迷い込んだ?何を言ってるのか、分かんない…

とりなえず、シンデレラについて行った。 キョロキョロと周りを窺う。探しているのか、狙っているのか、よく分からないが後ろを歩いた。
「誰か探してるの?」
すると、シンデレラは振り向いて、睨んできた。
悪い事言ったかな…私?
『探すもなにも、眠り姫を仕留めるんだ』
し、仕留める?!
ゾワ、背筋が凍った。『あ、いたぞ!静かにしろよ…』
ま‥待ってぇい!殺すなんて、ダメェ!
「ちょ!止めてよ!」 シンデレラは知らん顔。
『安心しろ。麻酔だから』
あぁ、そうか…じゃなくてさ!!
パン! パン!

う、撃ったぁ!
『チッ!来たな、シンデレラ!』
スパン! ナイフが飛んでくる。
危なっかしぃ!
『バレたか、では正々堂々と!』
草むらから跳んで出て行った。 少し笑っているようにも見える
ズサァ、 砂ぼこりが舞っている中。
パン! パン!
銃の少し高い音が響く。

すると、かすったのか眠り姫は顔を歪め、すぐ微笑んだ。

『なめんなよ!シンデレラ!』
 ズザン! ナイフがシンデレラの近くの木に刺さる。
『なめてるのは、どっちかな?』
ニヤリと笑うと、腕に当てた。 パン!

『うぁ!っシンデレラァ!』
へたり込んで、腕を押さえながら、睨んでやった。
『さぁ、終わりだ、眠り姫? 星屑をおくれよ?』

猟銃を肩に軽くかけて、笑った。

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