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なつのおと

第4章 雨が降る




「…えっあ、苗字?ああ変わったことあるよ」


親が離婚したからね。


それで聞くのを躊躇っていたのか。


なるべく明るく軽く答えた。


「旧姓…はっ?」


なんか田中さん今日はやけに俺の名前に突っ込んでくるなあ。


「島津。島津春だったよ。…ねえ、俺たち昔どっかであった?」


田中さんの顔になんとなくだが引っかかりを感じる。


思い出せないが、前の小学校かなんかで会っていたっけ。


「…莉穂?どうした?」


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