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なつのおと

第4章 雨が降る



「え?ううん、大丈夫。ごめんね、間宮君。人違いだった」



しばらく固まっていた後、海斗に笑顔で答えていたがどこかぎこちない感じだった。


「あ、そっか。人違いか」


田中さんとどっかであった気もするけれど、気のせいらしい。


とすると誰か女優かなんかに似てんのかなあ。


「ちょっと!なにしてんの!?あなたたち早く帰りなさい!」


ぼんやりしていると不意に誰か先生の声が廊下に響いた。


「…あっミカちゃん!」


ミカちゃん、なんて呼んでいるが一応我等が古典教師だ。


たくさんの鍵をジャラジャラ持っていることから見回りしてるのか、と推測した。


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