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なつのおと

第4章 雨が降る




横を見ると田中さんが首を傾げてこちらを見ていた。



「ああ、そうだな。…傘、嫌じゃなかったら入れて下さい!」


ちょっとふざけて、でも半分くらい本気で腰を折って頭を下げてみる。


「嫌」


「へ?」


…今何とおっしゃいました?


まさかの俺、ふられた?


思わず顔をあげる。


真顔でこちらを見ていた彼女の表情が緩み、そして吹き出した。



「ははっ!嘘だよ。良いに決まってんじゃん。帰ろ、間宮くん」



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