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なつのおと

第5章 ふたりがいた夏 前編




「ハルー?」



ドタドタドタ。



階段をあがる音が聞こえる。


うるさいなあ。


せっかく夏休みに入ったんだからもう少し寝かせてよ。



そんな思いも虚しく、荒々しくドアが開き毛布をはがされた。



「ほら、ハル起きなさい!朝ご飯なくなるわよ!!」



「んーさいなあ!!」


ガバッと毛布を取り返して再びくるまる。


お母さんのこういう時の声はいつもキンキンしててうるさい。


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