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なつのおと

第5章 ふたりがいた夏 前編



2階の自分の部屋にあがってとりあえずリュックに使えそうな物を入れる。


ガムテープ、お菓子、アキが着なくなった俺のお古のTシャツ2枚、毛糸。


それからさっきこっそり貰ってきたトンカチと釘。


あとは…大丈夫かな。


あいつらも持ってきてくれてるだろうし。


パンパンに詰め込んだリュックを背負ってだだだだっと階段を駆け下りる。


「行ってきまーす」


「え、ちょっとハル!どこ行くの!?」


「山だよ山!」


山、とは俺らが住む家から20分位の場所にある。


ここは何もない田舎だから小さい頃から遊び場と言えばその山か小さな公園で、小学4年になった俺らじゃ公園は小さすぎて山ばかり行っている。


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