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なつのおと

第5章 ふたりがいた夏 前編




フェンスに手をかけ力を入れて開いた穴にじぶんの体を入れる。


フェンスを超えて二人を見たが何も言葉は浮かんでこなかったし、向こうも何も言わなかった。


そのまま背を向けて歩き出す。


コウタもショウも追ってこなかった。


徐々に歩くスピードが速くなり、走りだす。

早く二人の視界から消えたかった。


ガチャガチャとリュックにいれた道具たちの音が鳴る。


それさえもイライラした。


なんなんだよ、ゲームって!


あんなに楽しみにしてたのにさ!



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