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なつのおと

第2章 夏のはじまり




後ろから2番目の窓際の席。


春は居眠りに最高だったけど今は日差しが暑いだけだ。


微妙な温度に温まった席に座って、手に持っていたYシャツをイスにかける。


すると前の席のふわふわの髪の毛が揺れた。


「なにやってんの、ハル。また図書室?」

鼻にかかった甘い声で俺の名前を呼ぶのは、橋本あずさ。


ミスコン3位を誇る美少女。


で、俺の彼女。



つけまつげに縁取られた大きな目がまっすぐ俺を見ている。


「ん、昼寝」



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