なつのおと
第6章 ハナビが散る空
今日もまた、あの夢をみていたらしい。
そんな日の朝は何となくぼんやりしてしまう。
カーテンの隙間から零れた光が顔に当たって眩しい。
ケータイを開くとまだ目覚ましの鳴る15分ほど前で、もう少しだけ寝ようと目を閉じた。
だけど何故か頭が冴えてしまっていて夢の続きが始まることは無かった。
机の上にある小さな時計の秒針の音が微かに聞こえてくる。
家の中は恐ろしく静かだ。
母は仕事だし、弟は部活の朝練に出ている。
最近の朝はいつもこんな感じだから寝坊しても起こしてくれる人はいない。