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なつのおと

第6章 ハナビが散る空






…てか今年度の遅刻数いくつだっけ。





ちょっとだけ早く目覚めた今日だから、もう起きてゆっくり支度するか。





むっくりと起き上がってひとつ、大きく伸びをする。





カレンダーを見ると既に7月も中旬に入っていて、夏休みまであと一週間だ。





…夏休み入ったら田中さんの音、聞けなくなんのかな。






不意にあの雨の日の(帰る時には止んでいたが)田中さんの笑顔が思い出された。





あれからほぼ毎日俺は音楽室に通っている。





放課後、チャイムと同時に教室を出て行く部活の奴らを見送って、それから校内をふらふらしたあとに音楽室に行く。





校内をふらふらするのは俺が音楽室に行ってることを何となくあずさに知られたく無かったからだ。





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