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なつのおと

第2章 夏のはじまり




いつもこんなに行動的ではない。


むしろ寝ていたい筈だ。


なのにその時の俺は胸を締めつける曲がなんなのか知りたくて、廊下に走り出ていた。




「…―ル、ハル!ねえ、聞いてる?」


はっと気がつくと前であずさがぷっくり可愛く頬を膨らましていた。


ああ、ごめん。聞いてなかったよ。


「ああ、聞いてるよ」


そうやって笑えば彼女はまた安心したように話し出す。


こんな俺のどこが好きなんだろう。


やっぱ、顔?



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