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なつのおと

第2章 夏のはじまり




授業音楽は選択制で、美術をとっていた俺は音楽室の場所があやふやで闇雲に走っていた。


最初っから校内の説明や誰かに聞けば良かったのだが早く着きたくてとりあえず足を動かしていたのだ。


さっきまで聞こえていたかすかな旋律も途切れ、今はただ静かなどっかの教室の前にたたずむだけである。


「…っはあ、くそ!音楽室どこだよ!」


…まさか校内で迷子になるなんて思いもしなかった。


息を整えて頭をかく。


その、顔を上げた先に。



『音楽室』




「うわ、あった」



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