
なつのおと
第2章 夏のはじまり
「ホリ カナタ」の存在を俺はこっちに来てからいろいろな人に聞いた。
が、誰も知るものはなく今も俺はカナタに会えていない。
気がつくと授業終了5分前になっている。
ミカちゃんの授業を聞いてるものは少なく、ほとんどの生徒が話しているか、ケータイしてるか、寝ているかである。
あずさの話はいつの間にかネイルの話から最近のテレビの話に変わっている。
「でさ、〇〇君がほんっとかっこよくてさあ…」
「へえ!それは良かったね!」
…俺の適当ぶりがわかるだろうか。
俺の思考は再び昨日へと巻き戻っていく。
