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なつのおと

第2章 夏のはじまり




決意を決めて立ち上がり、ドアノブに触れる。


どうすりゃ良いかわかんないけど、その時はその時。臨機応変に行こう。



ゆっくりと音をたてないように重みのあるドアを開く。



ギシ、と金具の鳴る音がした。




「……あ」



目の前に広がるのは黒く光るグランドピアノと、その先にはためくカーテンの奥の青空だった。



「…誰も、いない」



いつの間にか止めていた息をゆっくりと吐き出す。


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