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Uターンズ

第3章 記憶

葉子の脳裏に、遠い昔の光景が蘇る。


「…赤組でしょ!茂、って呼ばれてて名字がわからなかったような…」

「それ!あの頃、小谷ってヤツもうひとりいたから」

「なぁんだ覚えてますよ!私、赤組だったし」

「そうなんだ」


昔の記憶が一本の糸のように繋がり、急激に打ち解けていった。


夏休みのプール指導や学芸会、面白かった先生、怖かった先生… 年齢が近いので通じるところが多い。


「お父さんたちどしたの」

茜と薫が、お菓子の袋を持って近くに来ていた。


「なんか盛り上がってる」
茂は、茜を引き寄せて口の周りについたお菓子の粉を指で擦った。

「薫くんのお母さんも、笠木小だったんだって」
「ホントぉ!?」
「お父さんが応援団長の時、同じ赤組だった」
「すごい~」

そういえば、と葉子は美咲がいないことに気付いた。

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