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第5章 真実

バーベキューからの帰り、葉子と薫は小谷家の車に乗せてもらった。


それほど大きくない車に段ボール箱がいくつか乗っており、茜と薫がすわる後部座席も狭そうだった。


「茜、それ膝に乗せといて… 帰りがけにおばあちゃんとこ返しに行こう」

タッパーの入っている紙袋… 葉子ははっとした。


「おばあちゃんって、お父さんのお母さん?」

(薫ったら……!)

しかし子ども同士の会話は屈託がなかった。


「ううん、お母さんのお母さんだよ」
「茜ちゃんのお母さんは、今日はお留守番?」
「違うよ、茜ちゃんはね…お母さん、いないの」
「どして?」

「……かおるッ」

葉子は助手席で身体ごと後ろに向き、たしなめた。

「いいのいいの……」

茂は運転しながら、やはり屈託なく笑っている。

「薫くん… 茜のお母さんはね、まだ茜が赤ちゃんの時に病気で死んじゃったんだよ」

「そう…… ボクのお父さんと、おんなじだね」

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