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Uターンズ

第6章 家族

「開発が進んだら、あの場所もなくなっちゃうのかしらね」

「だろうね… 俺たち子供の時は、神社の裏もあんなだったけどね」

「覚えてる…!笠木第2団地のとこね」

結局いつも、そんな話で盛り上がる。


「そういえば茜、しょっちゅう佐伯さんの実家にお邪魔してるそうで」

「気にしないで…薫が誘うんだから。父が喜んでます、茂くんにこんな可愛い娘さんがいたんだ、ってね」

「覚えててくれてたんだ」

「当然ですよ応援団長!…あらら、次ね」

危なく、乗り過ごすところだった。


本社でのセミナーは1日がかりだ。午前の部が終わると葉子は、社員食堂へ向かった。


「佐伯さん!お久しぶりです」

食券売場に、つい最近本社に移ったばかりの永山雅美がいた。


雅美は葉子より7歳年下でまだ独身だが妙にウマが合い、家庭のことや離婚のこと等なんでも話していた。

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