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Uターンズ

第6章 家族

ふたりは定食のトレーを持って、窓際の席にすわった。


「佐伯さ~ん、アタシに何か話があるんじゃないですかぁ?」

「えぇ?何……」

「ホラホラとぼけちゃって… 今朝、一緒にご出勤の彼はだあれ」

「やだ、子どもの友達のお父さんに偶然会ったのよ、会社が大黒寺の南口側なんだって」

「それだけですかぁ?随分、仲良さそうに見えたけどな…」

雅美は上目遣いに微笑み、味噌汁をすする。

「え~、そうかな…同じ小学校だったから、なんとなく話が合うだけよ」

「同級生ですか?」

「ううん、ふたつ上」

雅美は目を丸くした。

「えっ!じゃあもう40過ぎてるんだ… 若いですねぇ!スタイルもいいし… 奥さん泣かしてそぉ♪」

「それがね、シングルなの」

「えっ」

雅美は目を輝かせ、両手を頬に当てた。

「いいじゃないですかぁ佐伯さん……!」

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