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第6章 家族

小学校の時から茂と面識があったわけではないので、両親も約30年ぶりに茂と会うような感じだが、葉子と同様、やはり共通の思い出があるため話は尽きなかった。


「そうそう優勝パレード!よかったねぇ……写真あるんじゃないか?」
「葉子、鼓笛隊だったしね」
「先頭で茂くんが優勝旗を持って……重かっただろ?」
「重かったです!なんか風に煽られてた気がする…」
「午後から風が出てきてねぇ、用務員さんがテントのヒモを結びなおして……ホラ茂くん、ワインは?」

「お父さん、無理に勧めないでよ~、明日仕事なんだからぁ」葉子が言うと、薫が口を挟んできた。


「なんか、家族みたいだネ」


「マサシおじちゃんもさ、じぃじにマサシくん…とか言われて、千春おばちゃんがさ…あんまり飲ませないでよぉ……とか」

茂と葉子は、顔を見合せた。

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