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第6章 家族

葉子の3つ下に千春という妹がいる。葉子より結婚が早かったため、中学生と小学校高学年のふたりの娘の母親だ。

マサシおじちゃんというのは、千春の夫・正志のことだ。


「ちょっと薫ったらもう…… ねぇ!」

さちよは茂を見、茂は口をモゴモゴ動かしながら照れたように笑い、薫を膝にのせた。


「そっか、よく見てンなぁ…参りましたっっ!」

そのまま、薫を肩車しながら立ち上がる。


「あ~、セミ!」
「どこにぃ?」「あそこだよお父さん、あの木!」

茜がトウモロコシを片手に、上を指さした。


3人がセミに夢中になっている間に、葉子は母と一緒に溜まった皿を下げ、デザートの準備を始める。

「葉子、いただいたアイス、納戸の冷蔵庫よ」
取りに行くと、さちよも後から来て小声でささやく。


「茂くん……いいんじゃない?」

葉子はどぎまぎした。

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