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第7章 男と女

「ちょ……小谷さん……待って」

目の前が大きく揺れた。

「おっと……!大丈夫」

気がつくと葉子は、茂の腕の中にいた。


「ゴメン、気がつかなかった…歩ける?」
「ん~……」

「しっかりつかまって」

茂は足元のおぼつかない葉子を抱えるように、ゆっくりと歩いた。


「誰かが、見たら…」
「…いいよ別に♪」


しばらく、沈黙が続き…


「あの」

ふたり同時に口を開く。


「何?」
「お先に…どうぞ」

「……」
「………」


「本気……かなって、思う」
「……あたしも」

「……」


ふたてに分かれるはずが、茂も一緒にアパートまで来た。


「鍵は?」
「これ……」


玄関に入り、ドアが閉まる。


「……っ!」

いきなり、激しく唇を奪われた。


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