刑事とJK~続編~
第10章 爆弾狂の名
「あー、これだね」
小泉は館内見取り図の前で立ち止まった
水族館は3階まであるようだ
小泉の目はワクワクしているように見える
『…頭おかしいよ』
「誰が?」
『あんたが』
「ククッ、生れつきだよ」
そう言うと小泉は、見取り図のある一点を見つめた
「…管理部屋か…」
『水族館全体を管理してる部屋?』
「そのまんまだね」
うっさいわ!!
『ここがどうかしたの?』
「もし"偽小泉"が水族館内にいるなら、1番怪しいのは管理部屋だろうってこと」
『へー』
「問題は、管理部屋に行くための道」
小泉は見取り図を指でたどった
「管理部屋は3階にある。
どうやらここからは、一度1階に下りて別の階段を使わないと、管理部屋には辿り着けないみたいだね」
『…でも1階は…』
「プール状態だね」
『て、天井までは水も届いてないから、泳いでいけるかも!!』
「ゆうひちゃん、わかってる?今1階は海も同然だよ?」
『あ…』
そうか…ただの魚だけが泳いでるわけじゃないんだ…
「ククク…1番厄介なのは、サメかな?」
『でも、サメって結構臆病な奴も多いって聞くし…』
「この水族館の目玉、何だか知ってる?」
小泉の問い掛けに、ゆうひは首を横に振った
「一般に"人喰いザメ"と呼ばれる、ホホジロザメだよ」