刑事とJK~続編~
第11章 頼れるクレイジー野郎
爆発で崩れはしたが、壁際にはまだ僅かに床が残っていた
「渡ろうか」
ゆうひは黙ったまま頷いた
壁伝いに、ゆっくりと進んだ
『…』
足元はやっと一人通れるくらいしか幅がない
落ちたらどうしよう…?
もし、まだサメがいたら…?
と、嫌な考えしか頭を回らない
向こう側に着きそうになった手前で、床が無くなっていた
小泉は少し助走をつけて飛び越えた
「ゆうひちゃんも早くおいで」
『む、無理無理!!
こんな距離あんのに、飛び越えられるわけないよ!!』
またげはしないが、勢いをつければ届きそうな距離だった
しかし、恐怖で足がすくんで
どうもゆうひには飛び越えられそうにない
「大丈夫だって」
『大丈夫じゃない!!』
「俺の胸に飛び込んでいくつもりで」
『余計無理!!!!』
下を覗けば薄暗い水底
でも…進まなきゃ…
ゆうひは一呼吸ついて、決心した
震える足を踏ん張らせ、思いっ切り飛んだ
片足は、地面についた
『やっ…』
と思ったらその足を滑らせてしまった
『たあああ!!!??』
水の中へ真っ逆さま…となる前に
小泉がゆうひの腕を掴んで引き上げてくれた
『わっ…』
引き上げた反動で、ゆうひは小泉の胸に飛び込んでしまった
小泉はゆうひの背中をポンポンと叩く
「よしよし、よく頑張りました」
あ
あたしとしたことがああああ!!!!
『やめぇー!!』
ゆうひはすぐさま小泉から離れた
「何でー?」
『何でもだし!!!』