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刑事とJK~続編~

第11章 頼れるクレイジー野郎



『ダメだよ…』



「?」



『あんた…人殺しなんてしちゃダメだよ…』



「…」



『絶対…ダメ…』




「何でゆうひちゃんが泣いてんの?」




何で…?



そんなの…



『あ、たしが…聞きたぃ…よぉ…』



こんな男のために…



あたしが泣く必要なんてないじゃん…



でも



必要ないのに



何であたしは、泣いてんの…?


「ゆうひちゃんは、他人のために泣いてあげられる子なんだね」



小泉は


いつもみたいにククッとは笑わなかった



口の端を少しだけ持ち上げて



優しい顔してた…






『もぅ…殺したり、しないで…』


あたしは一体、何を頼んでいるんだろう…?



「どうして?」



『あんたは、罪さえ償えば…
人生やり直して…
人のためになれる人間だから…』


「それはゆうひちゃんが決めることじゃない」




ゆうひは顔を上げた




「でも、ゆうひちゃんがそう言うなら
人殺しはもうしないよ」




『え…?』




「え?って何だよ
そうして欲しいんでしょ?」



小泉は小首を傾げた



『う、うん…そうだけど…ほんとに…?』



「嫌なの?」



『い、いえいえ!!
嬉しいです!!』




驚いた…



何年も前から、お尋ね者だった犯罪者が



あたしなんかの言うこと聞いてくれるなんて…




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