刑事とJK~続編~
第11章 頼れるクレイジー野郎
階段を上がると、3階に着く
やはりここも薄暗い
『管理部屋って…どこ?』
自然と小声で話した
「…」
その質問には答えず、小泉はキョロキョロと辺りを見渡した
どうやら、3階にはカメラは設置されていないようだ
「あっこじゃない?」
『?』
"管理部屋"と書いた標札が奥の部屋に掛かっていた
小泉は迷わずそっちへ歩き出す
部屋の前まで来ると、小泉は勢いよく扉を開けた
「――?」
部屋の中は、監視カメラのモニター画面が並び
館内を制御させるためのボタンがたくさんあった
しかし、そこに人影はない
…逃げられたか?
そう思った時だった
『きゃあ!!』
小泉は驚いて振り向いた
「…」
いつの間にか背後を取られ、ゆうひは見知らぬ男に捕まっていた
ゆうひの首元には鋭利な刃物が突き付けられている
「こ、ここまで来て残念だったな!!!」
ゆうひを捕まえている男が言った
「この女が切り刻まれたくなけりゃ、おとなしく1階へ下りろ!!」
「1階って、プール状態だけど」
「その通り!!
お前が誰か知らないが、よく今まで生き延びることができたな…
なんか危なそうだから、溺れ死ね」
「…」
「早く!!
この女がどうなっても…!!」
「いいよ」
「へ…?」
「その子がどうなろうと関係ない
俺はとりあえず、お前に制裁を加えるために来たんだからね」
その時の小泉の顔は
恐ろしいほど冷たかった
さっきまでとは全然違う態度に、
ゆうひの中では恐怖以上に失望が勝った