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刑事とJK~続編~

第11章 頼れるクレイジー野郎



『小泉…』


その日初めて名前を呼んだ


この状況ですがれるのはもう小泉しかいないのに、
その小泉に捨てられたような言い方をされ…


もうゆうひはどうしたらいいのか分からなかった



「こ、小泉だと!!?」


男の顔に焦りが見えた



「そうだよ、俺は小泉。
お前、ほんと好き勝手してくれたよねー」



「嘘だ…小泉、本人…?」



「あれ、もしかして俺のファンだった?
だから俺の名前使ったのかー」


小泉はゆっくり一歩踏み出した


「近づくなあ!!
女が…どうなっても…」



「でもお前さぁ、俺の名をずいぶん傷つけたんだって
わかる?」



「近づくなって…!!」



刃物を持った手が震え出す



「どうやって苦しませてあげようかなー?」



「近づくなああああ!!!!」



男は刃物を振り上げた



『いやあああああ!!!』



パッと小泉は男の腕を掴んだ


もう片方の手でゆうひを跳ね飛ばし
ゆうひはよろけながらも男から逃れることが出来た



『小泉…』



男の腕を持ち替え、ギリギリと締め付けた



「いでぇえ…!!!」



男の手からは刃物が落ち


その刃物を蹴り飛ばすと、小泉は男を床に押し当てた



「このっ…」



反撃にかかる男の腕を両手で持ち
上から膝を落とした



ボキィッ



「ぎゃああああああ!!!」



『―――っ!!』



ゆうひは思わず耳を塞いだ





「あー、折れちゃったね。
カルシウムちゃんと取ってる?」


「ああああ、いっ…いでぇえよおぉお!!!」



「ククッ、すぐ楽にしてあげるから」



小泉は、また筒状の物をポケットから取り出した




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